平成17年 9月21日区民生活委員会−09月21日-01号

◆佐々木浩 委員  これまで各委員の皆さんの真摯な質疑の中で、だんだんこの条例の中身がわかってきたんですけれども、この条例を見まして私がぱっと思いついたのが、昨年の7月、夏だったと思うんですけれども、和泉で大きな火災があって、そのときに区長初め福祉事務所の方がそこの現場に行かれて、いわゆる被害に遭われた方の対応を非常にきめ細かくやったという事例があります。だから、既存の政策の中でも、そういった対応というのは既に区はやっているんですよね。
 今回はそれを犯罪という範疇に広げたということでありますけれども、ただ、その当時の火災被害、こういう人たちへの対応と、今回の犯罪被害者に対する対応、ちょっと微妙に違いますよね。例えば災害の場合は、今回の水害のときもそうだったけれども、見舞金の支給があった。同じ被害なんだけれども、どっちがどっちなんだという非常に難しい点がありますよね。それもお答えいただければと思うんですが。
 それと、ちょっと見落としがちなのが、突発的な犯罪の方が、犯罪というのは当然そうですから、特に凶悪犯の場合は、この議会でも幾つか事例が上がっているようですけれども、夜間とか土日とか、突発的な犯罪に遭ってどうにもならないと。要するにきょう泊まるところもないし、お金も今警察が現場保存しているから何もできないというようなケースがあると思うんですね。ですから、この相談窓口というのを、今のところ区では平日の昼間にだけ想定をしているのか、土日・夜間対応──この水害のときもそうだったですね。区は長期的な対応というのは非常にうまいんですけれども、突発的な12時間対応だとか6時間対応だとか、そういうところにちょっと弱い。これはしようがないことなんですけれども、その辺のお考えというのをまずお聞かせください。

◎区民生活部管理課長 結論から申し上げますと、365日24時間みたいなものというのは必要だとは思いますが、実際の人員の体制ですとか、そういったものがございますので、今後、その辺の課題については検討していく課題だというふうに認識をしております。

◆ 佐々木浩 委員  火災があった場合は、消防署の方から連絡が来て、多分、土日・夜間でも福祉事務所の方がその現場に行って、あるいは管理職の方が行って、被災者の方に直接お話をして、場合によってはいろいろなサービスも提供する。これはいわゆる攻めの営業というかな、営業じゃないんだけれども。ただ、この犯罪被害者の場合は、今までの流れをずっと聞いていますと、守りというか受け身ですよね。あくまでも窓口にいらっしゃった人に対してですよね。だから、その辺の違いというのが、なかなかこっち側からどうですかと御用聞きみたいに、個人情報の問題もあるので行けないんですけれども、その辺の考え方はいかがですか。

◎区民生活部管理課長 実はそれも本当に大きな課題でして、警視庁の被害者支援の担当の方とも詰めて今後やっていかなければいけないわけですけれども、現在の段階では、警察の方からそういった情報──さっき火災の場合は消防署と言いましたけれども、犯罪被害者の場合には警察が第一義的に対応することが大半でございますので、警察との情報のやりとりということが重要になってきますけれども、現在のところでは、法律上、警察から情報をいただくことはできません。唯一、今の制度の中では指定団体、具体的には東京都では都民センターだけですけれども、本人合意があれば、警察から都民センターにお知らせをする、あくまで本人合意が前提ですけれども。そうすると、都民センターの方から被害者の方に積極的、能動的に働きかけもできるというふうになっておりますが、今はそれだけです。
 ですから、区からこの人は被害届が出されていますかといっても、なかなか現在のところでは確認する手だてがないので、その辺をどうこれから警察との具体的な情報のやりとりのネットワークを組んでいくか、制度改正を進めていくかというのは重要な課題だというふうに考えております。

◆ 佐々木浩 委員  そうですね。だから、そこが1つありまして、例えば警察の捜査担当の方が被害者に対して、区のこういう窓口に行ったらどうですかという案内をしてもらうというのがやはり一番大事ですので、そういう意味で、関係機関との連携の、一番フロントになるのが警察でありますから、そういう部分を一番ケアして、なるべくこちらの総合窓口、いろいろ宣伝もすると思うんですけれども、相談窓口に来ていただくような、要するに被害者はもうパニック状態のケースがあるので、どこにどうしたらいいかも全然わからんわけですよね。そういうような体制をしっかり組めるということでよろしいですか。

◎ 区民生活部管理課長 おっしゃるとおりです。既にもう3警察署とも話しておりまして、私どもがつくるパンフレットとか、そういったものを置きまして、実際、職員というか、3警察署とそういった意味での具体的なネットワークを組んで、被害者の方がいち早く相談窓口を訪れる、あるいは電話をいただく、そういったような形のPRを進めていきたいというふうに考えております。

◆佐々木浩 委員  それから、総合窓口をつくって、いろいろな関係機関にご紹介をしたりなんかやります。本当にすばらしいコーディネーター機能を期待していますけれども、ともすると、いわゆるたらい回しみたいな、要するに被害者の、相談をされる側から見れば、そういうふうに受けとめられかねないような対応というのが出てくると思うんです。その辺はスキルとかの問題だと思うんですけれども、その辺をしっかりやられるということで認識してよろしいですね。

◎区民生活部管理課長 そのとおりでございます。

◆ 佐々木浩 委員  それから、専門家検討会の提言書が出されまして、相当分厚い、五、六十ページですか、私も拝見をいたしました。その中で取り入れたものもあるし、今後の課題として取り入れられなかったものもあると思うんですね。取り入れたものは今いろいろつまびらかになっていますからいいですけれども、今後の課題として残したもの、全部でなくてもいいですけれども、代表的なものは何があるか、ちょっとお示しください。

◎ 区民生活部管理課長 理念等々についてはございますけれども、1つ専門家検討会から言われている部分としては、報告書の中では経済的支援というのはかなりスペースを割いて記述をされております。自治体としても支援金をやるべきではないかといったような提言もいただいておりますので、その辺は、先ほど申し上げましたけれども、国の全体の動向の中で、適切な役割分担の中でどうあるべきかというのは1つの課題かなというふうに考えております。
 あとは、今警察等の例で挙げましたけれども、関係機関とのネットワークというのが実際上は非常に重要な要素を占めております。そういった中では、この報告書の中では協議会の設置みたいなものも提言されておりまして、それをどんな形でいわゆるネットワークをきちんとした仕組みの中でつくっていくかというのも、協議会の設置ということを含めまして、今後の検討課題かなというふうに認識をしております。

◆ 佐々木浩 委員  先ほどの質疑の中で、どの部署に設置をするかということを今検討中だということであります。多分、区民生活かあるいは危機管理という部署なのかなと推測されるんですけれども、例えば、先ほど火災の災害の例を出しました。あれはどっちかというと保健福祉なんですね。
 ちょっと意地悪な質問をいたしますけれども、火災も例えば犯罪絡み、放火だとか、そういうような犯罪に関する火災が起きた、で、連絡が来た、行ってみたらどうも犯罪だったとその時点で明らかになった。さて、どっちの部署が担当いたしますか。

◎ 区民生活部管理課長 それは犯罪被害者の相談窓口に来たら、私はそこで対応をしていくべきだというふうに思います。ただ、あくまで区役所の窓口というのは第一次窓口でございますので、逆の場合に、福祉事務所にいろいろな生活相談に行ったと。そのときに犯罪被害者のいろいろな被害の支援の手が求められているということであれば、福祉事務所の方から犯罪被害者支援の組織に連絡があろうかと思いますし、また、そういうふうにしなければいけないし、犯罪被害者支援の窓口に来て、それが例えば生活保護を含めた福祉事務所の関係であれば、そちらの方に行かざるを得ないということから考えますと、今の火災の場合については、中身を見て、災害見舞金だとか、そういった形で対応できるのであればそちらに照会する、つなげていくことになろうと思いますし、そのほかのいろいろな精神的なショックだとか日常生活支援が必要であるということであれば、被害者支援担当の方で直接支援をすることが必要なのかなというふうに考えております。

◆佐々木浩 委員  少し大きな話になりますが、この条例は非常にシンプルにできていまして、器を広くして後でいろいろな中身を入れていくという、趣旨的にも非常にすぐれたものだというふうに理解をしております。
 ただ、この条例を私読んでいて少しだけ違和感があったのは、これはこの条例に限らない話なんですけれども、この条例は、何となく、何となくですよ、区が主体で、区が被害者に何かをやってあげるよというつくり方になっているのかなと。今の法令のつくり方というのは、どうしてもそういうふうになるんですよね。
 だから、むしろ被害者のための条例であるならば、被害者から見て、こんなサービスが受けられるとかこんなことができるとか、そういう条例立てを──国の法令はもうしようがないんです。だけれども、我々は実際に区民とフェース・ツー・フェースで接しているので、きょうは法規担当はいらっしゃらないんですけれども、これは天動説から地動説のコペルニクス転回ですけれども、サービスを受ける側とか、そういう側から見た条例づくりというのかな、そういうことを少し考えないと、すぐれてはいるんですけれども、いかにもこれはお役所がつくった条例なんですね。多分、この条例をだれかに見せても、対象者に見せても、ようわからんと。それで、結局はいろいろなパンフレットをつくって、実はこの条例はこういうことができるんですよというような、要するに翻訳をするんですよね。だったら、その翻訳をする、わかりやすいものを条例立てした方がいいのかなと。そうすれば少しは、被害者の立場というよりも対等な立場でやるというイメージになると思うんですね。担当部署としてはなかなか答えづらいところがありますけれども、考え方はいかがですか。

◎ 区民生活部管理課長 その辺は法規担当の方と十分詰めていかざるを得ないと思いますけれども、表現1つとっても、そういったニュアンスがあるというのは、確かにそのとおりだと思います。ただ、条例の性格上、例えば区の責務ですとか、区としての義務あるいはやるべきことを明確にする、そういった意味からこういったような表現、規定が行われているのかなというふうには考えております。
 ただ、条例自身が非常に区民にとってわかりやすくなるための工夫というのは必要だなと思いますので、技術的なことはちょっと今ここでは述べられませんが、法規担当の方には伝えていきたいなというふうに考えております。

◆ 佐々木浩 委員  私は常々、本当の地方自治体、住民に一番近い地方自治体の条例というのは、言ってしまえば中学生でもわかるような、わかりやすい条例立てがいいのではないかなと。特に今回のように対象者がはっきりしています。広い範囲で網をかけるとか、職員に対してとか、そういう場合は別ですけれども、対象者が非常にはっきりしていて、その人にとってこういうのができますとか、区はこういうことをやりますよという場合は、やはりそういうわかりやすい条例立て、それから目線というか、中心の置き方が違う条例立て、そういうものを考えるべきだというふうには思うんですけれども、きょうは法規担当がいらっしゃらないので、どなたかよろしくお願いします。

◎区民生活部長 今管理課長の方からご答弁させていただいたとおり、区が何をやらなければならないというようなことを団体意思としてご決定いただいて、そうしたことをきちんと区民の皆さんの権利性を保障するというような意味で条例に制定をさせていただく、そのために、従来このようなつくりになっております。
 ただ、ご指摘のように、中学生でもわかる、目線を変えて区民の立場から物をつくっていくということも、これもご指摘は大変大事なことだというふうに存じますので、今後の課題にさせていただければと存じます。

◆佐々木浩 委員  原案に賛成の立場から意見を申し上げます。
 全国の他の自治体に先駆けてという意味と、それから国や東京都に先んじてこのような条例をつくるということは、まさに地方自治体の1つのあり方というのを杉並の方から発信をするということでもありますので、むしろ、多分これから各自治体や国の審議の中で、杉並ではこういうことになったとかいうまくら言葉が必ずつくような状況になると思うんですね。
 また、我々議会の方も、各会派、各議員の皆さんが関心を持ち、それから今まで議論を重ねてきた、そういった結実が今回の形になって出てきたということは非常にすばらしいことだなと。
 また、区民にとっても、杉並区民でよかったなと言っていただけるような、誇りを持っていただけるような内容の、もちろん今、器をつくっただけですから中身が問題ですけれども、中身に関してはこれから、4月の施行まで半年ありますから、その中で、あるいはそれ以降も重々しっかり検討していただいて、あるいは修正をしてやっていただければ、本当に我々杉並区は誇りに思える区になるだろうという1つの事例だと思いますので、大切にしていきたいと思います。